博物館でのトラブル

※この物語は女性の急成長・グラマラス化が含まれています。

 目にまでかかる夜の様に黒みかかった紫色の髪が特徴的なラニはニューセイラムに存在している人類歴史博物館へとやってきた。

「……地球の空はどんな感じなのかな。ニューセイラムのとはどんな所が違うのか楽しみ」

 その目的は学校の課題をクリアするためのヒントを得るのと、巷で噂を聞いた空を知りたいというものだ。
 彼女は空を漠然と綺麗なものとしかイメージを捉えられてない。普段見ているニューセイラムの星空とはどの様な違いがあるか、期待で胸を膨らませていた。

「こことかは私も知らなかったなぁ…」

 そこでは、マジシャンがいかにしてニューセイラムに逃れる事になったのか、そしてそこから分かれたそれぞれの世界の歴史や、ノーサンプトンなどの個別の地域の歴史やその物品が常設されていた。

「あ、ここで空が見れる」

 その中にある現在の地球というコーナーの中に、地球の空や地球で見られる気象現象というものがあった。彼女はそこに興味を示したのである。

「わぁ……色々なところが目まぐるしく変わってる。ニューセイラムの空は変わり映えしないから、地球に来れたら楽しそうだなぁ…」

 地球の空というコーナーはその名の通り、地球で見られる空を半球状の空間の中で再現しており、時間の経過で朝昼夕と変わっていく光景を見られる。
 ランダムで雲の比率や季節、気圧も更新されており変わりゆく空の模様を見る事を趣味にしている者もいる程である。

「雪綺麗だなぁ、地球の人はこれを見れるんだ…」

 気象現象のコーナーで展示されているのは魔法で精巧に再現された気象現象。地球の人々にとっては一般的なものでも彼女にとってはとても新鮮な光景なものが多かった。

「あそこにある渦巻いてるの迫力があるなぁ。まるで魔法みたいだけど…これがあっちだと現実に発生するのか…」

 しかも危険な気象も安全に展示出来るように制御されていた。ニューセイラムで過ごしていれば一生見れないであろうそれらを目当てに見に来る者もいるのである。






「よし! これで課題は解けそう!」

 この2つのコーナーをじっくりと見たラニは、課題を解くためのヒントを得たようで、首を縦に降った後に立ち去ろうとしていた。

「ん? なんかあっちの方で……」

 その時ガシャン! という異音がしたので振り返って展示室へと向かう。

「えい!」

「やぁ!」

「ほらほら!」

 そこには雲のような呪文が展示されていて定期的に雷を引き起こしていた。
 だが音を起こしているのはこれではない、彼女は再度音がした方向を探ると、そこには球状の呪いを投げ合う3人の子供がいた。

「貴方達! 今すぐ投げるのをやめなさい!」

「はぁ…はぁ…ちょっとわんぱくが過ぎない……」

「負けるもんかー!」

「捕まえてみろよー!」

 2人のスタッフが止めようとしている様子だが、すばしっこく動き回る子供達をなかなか捕まえられないでいて、彼らから煽られてしまっている。

(これ……皆が危ない!)

 今は安定しているが、万が一呪いや呪文が暴走してしまえば彼らが危ない、その危険性を魔法学校で学んでいるので彼女は加勢しようとする。

「わぁ…!」

「ちょ…!」

「急いで取るぞ!」

 だが一足遅かった。一方の子供が投げた呪いが勢い余ってあさっての方向に飛んでいく、スタッフ達も慌てて投げ飛ばされた方向に動き出すが見てからでは間に合うはずが無い。

  そのまま呪いは雷を発生させる呪文を通過してしまう。その瞬間雷が数え切れない程引き起こされる。辺りは異様な雰囲気に包まれた。

「へ…? ぐっ……!」

 そして呪いは状況を捉えられていないラニに当たってしまう。その瞬間閃光が走った。

「な、なんだよこれぇ…」

「ひょっとして僕たち……」

「に、逃げろー!」

「…待て!」

 投げていた子ども達は事の重大さをようやく理解して散り散りに逃げ出した。スタッフのうちの1人は彼らを追いかける。

「ケガはありませんか?」

「大丈夫で……ん…すみません……急に身体が熱く…」

 光に驚いて力なく座り込んでしまうラニ。駆け寄ってくるスタッフに対して大丈夫と言おうとしたが、その時身体の奥から熱い何かが広がろうとしていた。

「この呪いは何も効力が無いはず………まさか…!」

 ラニに当たった呪いは本来、人に当たっても閃光を起こすだけでこれといった害は無かった。だが先程呪文を通ってしまったせいで性質が変化、人を成長させるようになってしまう。

「呪いに晒された人が苦しみ始めています! 至急応援をお願いします!」

 そばに居たスタッフが慌てて通話用水晶玉を介して助けを呼ぼうとしていた。彼らにとっては未知の事態だ、いつ何が起こってしまうか分からない。

「…んぐ………はぁ……服が…キツい……何なのこれ…?」

 そんな騒ぎの中、彼女は身体に圧力がかかっていることに気づく。まさか服に締め付けられているのではと思ったが、逆だ自分の身体が成長しようとしているのである。

「…後ろの方が……くすぐったい………」

「……へ? 髪の毛が伸びてる……あ…これひょっとして………変身している……」

 同時に髪の毛の先がムズムズしていた。その違和感に耐えきれずに手で黒みかかった紫色の髪を触ると、なんと伸びているのである。そこでラニはようやく自分の身体が成長している事を認識した。

「……人に見られない様な場所に身体を……うぅん…う……ん…う、うそ……身体が思う様に…動かない……….」

 その魔法を魔法学校で一応学習しているので、恥ずかしい結果になる事を予知し、人に見られない様に動こうとするが、身体は重く思う様に動かない。
 ただ、幸いな事にここら辺一帯が立ち入り禁止になったのでスタッフ以外の人間が来ることはなくなる。だがその事をラニは知らない。

 残ったスタッフが側で声をかけてくれているが、それどころではないラニにはなんて言ってるのかは分からなかった。

「…はぁ……はぁ…はぁ………服が伸びてる…ぐぅ……しかも…身体も何だか……あっ……汗でおかしくなって……きゃ…」

 ラニが荒い呼吸をする度に膨らんでいく身体の各部位が、黒色のチュニックを押し出す。今は服がギシギシと悲鳴を上げながらも耐え忍んでいるので繊維が伸びるくらいで済んでいるが、それが続いてしまうと破けてしまうのは明らかだった。

 実をいうと綺麗に服を脱ぐチャンスはあった、服と皮膚の間にあった空間がなくなりつつあり、時間はかかる。だが壊さない様に脱ぐことはまだ可能だ。

『……流石に人が集まる様なところで脱げないよ』

 しかしラニは自分の裸を誰かに見られるのを嫌った。彼女はそれを気にしないほど羞恥心に欠けているわけではないのである。

「あれ…眩しくなって………見れる範囲が広がってく……こ、これって私の目が……」

 視界の晴れている面積の割合が増えていく、それは前髪が上がり恥ずかしい銅のような赤色の目が晒されることを意味していた。彼女は顔を赤らめて、手で目を覆う。

「ん……う、うん……服に…うぅ……はぁ…はぁ…あ……これ…身体が………」

 その間にも元々154cm程度だった身長は170cmを超えていた。髪の毛は胸の辺りまで伸びてきて、腿も少しずつ空気を注入されるかのように膨張していき裾の空間を独占しつつある。荒い息は長いものから小刻みで短いものに変わっており、そこに喘ぎ声も混じっていた。

「勝手に…大きく……あぁん❤️ と、とめて……乳首が…ピクピクし……あっ❤️」

 胸部に関しては明らかに膨らみがあると分かるぐらい果実が育つ。ただでさえ熱いせいでたくさん汗をかいてしまい、衣服の中は蒸し蒸しとしていたが、ここが1番酷く乳首と布が擦れる度に高い声をあげてしまうほど敏感になっている。

「はぁ…はぁ……あぁ…❤️ て、手が……こんな……美しく……ん…❤️ これ……本当に…私の、なの?」

 身体がムラムラしてきてるので、誰もいなければ自分で弄りたくなるが、人が来る可能性があるそのようなことは出来ない。彼女は一旦顔から離した手を再び見る。そこには先ほどよりも更に長くそして肉付いた腕が存在していた。それを信じられない表情でしばらく見た後、視点を下に移した。

「あ、足も………んぅ……❤️ あ、これ……パンツが……見え、ちゃう………」

 足も手と同じかそれ以上に美しくなっていた。それよりも彼女には危惧している事柄があった。身長が伸びることで、肩に持ち上げられて脚が付け根まで見えているのである。
 これ以上変身が進行してしまうとパンツが見えてしまう。片手でチュニックの裾を引っ張ってそれを隠そうとする。

「だめ……あぁ…………もうやだ…」

 だがそんな抵抗も虚しく、上品な黒色パンツが見えてしまう。羞恥心と熱の籠りにより顔がより赤くなっているが、彼女に更なる恥ずかしい出来事が襲いかかる。

「うあぁん…❤️ …………んっ!❤️ あぁ…!❤️ あ……!❤️  あっ…!❤️ あんっ!❤️❤️」

 2つの球体の谷間にそって服が破けて、その隙間が見えてしまった。3回も恥ずかしい思いをしたラニは抵抗する気を失ってしまい、まるで響くような声で喘ぐ様になってしまう。

「やん…!❤️ はぁ❤️ はぁ❤️ はぁ❤️」

 その心情を反映するかの様に、黒紫色の髪の毛は一気に背中を下っていき、腰を超えて床についてしまうぐらいに伸びていき、身体も今までの5倍速ぐらいの速さで、成長してそれがラニに与える影響も増加していた。

 こうしている間に人外の身体への置き換わりが始まり、流れ星の様な煌めきが切なさから股に両手を置いている彼女の周囲を流れて回っていく。

「うぅ……!!❤️❤️❤️」

 マナが体内で膨らんでいく様な温かさを感じて、寂しさが消えていく代わりに心地よさと活力が増えていく。それが限界に達した瞬間、周囲に閃光が迸る。

 閃光の影響が無くなった後に見えた姿は黄緑色のパーマロングヘアが特徴的な身長190cmは超える美女であった。

『身体が動かせない……』

 彼女は変身で体力を使い尽くした様で、倒れてそのまま意識を失ってしまう。最後に見た光景はスタッフが応援を連れて助けに来ようとしている姿だった…





「んん…ここは……病院だよね?』

 次に目を覚ました時には、病室のベッドで寝ていた。様子的に搬送された事は理解できた。と言う事は自分は何か入院しなければならないぐらいの異常があったのではないかと彼女は考えた。

「変なものは…見えてないか……」

 不安に駆られた彼女は、目立った相違がないかどう確認した。まずは視覚的なところから確認すべくあたりを見渡すがそこには異常はなかった。

「痛くもない……」

次に物理的なところを確認して、手を触ったり、お腹を押したり、肩を揉んだりとしたが痛みも違和感も特になかった。

『私は何で入院してるんだ?』

 原因を自分で知る事ができないというもどかしさに襲われようとしていたその時、医師が部屋に入ってきた。どうやら診断結果の説明をしにきた様だ。

「ラニさん貴女は驚く事で変身する様になりました。博物館に展示されていた呪いと雷が貴女の身体に当たった事で化学反応を起こしたのです」

「えぇ…本当ですか?」

「信じられない話でしょうが、本当です」

 ラニは衝撃を隠せなかった。これでは当然日常生活にも支障が出る。正直ため息をつきたい状況ではあるが、まだ説明がありそうなので最後まで聞く事にする。

「驚く度に変身してしまうのは、日常生活にも支障をきたします。なので、変身を抑える薬を出しておきますね」

「はい、ありがとうございます」

 話を更に聞くと、お薬を出してくれる様だ定期的に服用する手間はかかるがこれで、何かの拍子に変身する事態は避けられそうだ。
 話は終わった様で質問の時間に入る。

「ここまでで質問はありますか?」

 ラニは、この後の入院の有無について聞いた。自分が重篤な症状を抱えているか否か知りたかったのである。

「…この後入院する必要はありますか?」

 この質問に対する医者の答えは彼女に安堵をもたらすものだった。

「しばらく経過を観察しても特に問題は見られなかったので、入院は必要ありません」

「ほ……」

 今後の入院の必要はないと言われ安堵の息を吐いた。

「ですが…なるべく驚く様なことはしない方が良いでしょう。薬にも限界があります……」

「そうですか…」

「はい、例えば危険性がある場所に行く事やホラーゲームをやる事は控えていただきたいです」

「分かりました」

 それらの注意事項は対して問題にならない。相槌をとりながら彼の話を聞くが、ここで彼女の中に1つの考えがよぎった。

「もうひとつ質問よろしいでしょうか?」

「いいですよ」

 許可されたので、彼女は質問を投げかける。

「自由に変身する事は可能ですか?」

「……それはご自身の努力で可能ですが。今すぐどうにかできる治療法はありません…」

 医者の回答を聞いてラニは心の中で残念に思う。やはり今すぐ自分では変身できないのかと。

「それでは説明は以上となります。この後受付まで案内しますね」

「ありがとうございます」

 説明が終わり、身体の異常がない事からすぐに退院することができた。





 薬局で薬を受け取り帰路につく中。彼女は自分の心の中を整理する。

『私は空に憧れていた。星々が輝く夜空の光景に……』

 その空への憧れは、もしかしたら自分が純粋な空の様にありのままに生きたいということを示していたのかもしれない。

『今回の地球の空を見て、更に空に興味が湧いた。いつの日か実際に見てみたい…』

 そして今回の体験やトラブルを通じて彼女は自分の目的を持つことができた。

『そのためにも変身魔法を覚えて、箒なしで飛べる様になるんだ!」

 現在の彼女の願いは箒なしで空の景色を体感してみる事。そして自由に変身する事だ。それを叶える為の一歩を今踏み出そうとしていた。


原本: https://www.deviantart.com/jkeabsj/art/Trouble-at-the-museum-Japanese-1290940667

どうもjkeabsjと申します。

今回はラニの初変身でございます。

先駆様であるkayyack様の素晴らしい作品群はこちらとなります。
是非読んでみてください。

これはニューセイラムという、ある世界の一部です.